テープ起こしといえば、在宅ワークの定番っていうイメージがありますよね。
「音声を聞いて文字に起こす」というと、簡単そうと思う方もいると思いますが、実際は思った以上にきつい仕事なのです。
この記事では、初心者だった私が1年間在宅テープ起こしに取り組んだ経験から、テープ起こしという仕事について徹底解説します。
- テープ起こしの仕事内容
- テープ起こしの応募方法・トライアルの内容
- テープ起こしの収入
- テープ起こしはなぜきついのか
テープ起こしってどんな仕事?
録音された音声をWordなどで文字に起こしていき、指定された納期までに納品する仕事です。
音声の内容は会議、授業、講演会、インタビューなどさまざまです。
中には家族間のプライベートな話し合いもあり、内容は絶対に外に漏らしてはいけません。
文字の起こし方にはいくつか種類があります。
素起こし(すおこし):「えー」「あのー」といった言いよどみや言い間違いも含め、全て聞こえたまま起こす。
ケバ取り:「えー」「あのー」や過度の相づちなどの不要な言葉を削って起こす。
整文:ケバ取り後、「ですます(である)調」に整え、話し言葉を書き言葉に置き換える。
要約:整文をさらに約8割程度になるように要約する。
最も一般的なのがケバ取りで、私の受けていた案件もほとんどがケバ取りでした。
素起こしは一字一句聞き逃してはいけないので、手間と時間がかかる分、報酬も高い傾向があります。
テープ起こしの仕事に何よりも求められるのは語彙力です。
知らない単語が出てきたときは自力で調べる必要があるので、もともと知っている単語が多い人ほどクオリティ・スピードともに高くなります。
普段から本や新聞をよく読んでいる人におすすめの仕事です。
テープ起こしの仕事はどこで探す?初心者でもできる?
テープ起こしの仕事をするには、主に2種類の探し方があります。
- クラウドソーシング(ランサーズ、クラウドワークスなど)で探す
- テープ起こしの専門会社と契約する
テープ起こしの会社一覧はこちら
多くの会社では、テープ起こしの経験1年以上などの条件があり、初心者が仕事をもらうのは難しいです。
私は運よくママワークスの求人で初心者OKの会社を見つけ、トライアルに合格することができました。
クラウドワークスやランサーズでもテープ起こしの仕事はありますが、報酬が安い・応募者が殺到するので、私はやりませんでした。
テープ起こしの通信講座を受けることで、未経験でも応募できる会社もあります。
テープ起こしのトライアルって難しい?
私が契約していた会社では、2回のトライアルがありました。
1回目:30分の音声を「素起こし」で起こす
1対1のインタビューで、音声に聞きづらい箇所もなく無事合格。
特に難しい単語もなく、小学生でも聞き取れそうな簡単な内容でした。
しかし、2回目は難易度が跳ね上がりました。
2回目:1時間の音声を「ケバ取り」で起こす
5人の若者が芸術について語り合っているシンポジウムでした。
音質が1回目よりも格段に悪いし、5人もいるので誰が発言しているのか全然分からない。
芸術なんて全然詳しくないから、知らない単語ばんばん出てくるし。
そこで、音声に出てきた単語を頼りにネットで検索してみると、なんとそのシンポジウムのYoutube動画がヒットしました。
これ見ていいの?と思いましたが、検索して出てくる情報は全て使ってよいのでズルではありません。
しかし、動画を見ても分からない箇所はやっぱり分からない。
どうしても聞き取れない箇所がある場合、(####@00:01:30)と音声の分数をそのまま記載するルールになっています
(タイムコードといいます)
どうしても分からない箇所は素直にタイムコードを使うことを意識しましたが、使うべきかどうかの線引きが初心者には分からなくて苦戦しました。
納品後数日して、「二次トライアルを修正して再納品してください」というメールが。
このチャンスを逃すまいと丁寧に訂正をし、無事に合格することができました。
テープ起こしの収入は?
ここで、私が2019年7月~2020年9月の約1年の間に得た報酬を公開します。
テープ起こしの報酬は分単価制が基本です。
最初は初心者ということで40円/分から始まり、徐々に上がっていって1年たつと60~70円/分になりました。
音声は1時間~2時間程度のものが多いです。
週に1、2件納品のペース、月5~7件納品して月収は3~4万になりました。
難易度は音声によってピンキリですが、初心者は1時間で約10分の音声を起こすことができます。
慣れてくると1時間に15分の音声を起こせるようになるので、時給を試算してみましょう。
単価60円/分と仮定
時給=60円×15分=900円
在宅ワークは時給換算500円以下の仕事もゴロゴロあるので、決して悪くない数字です。
しかし、これはあくまで全力で集中してやったときの計算。
ダラダラやってると下がってくよ
効率を上げるにはただ集中するだけでなく、フットスイッチという足でキーボード操作をするツールが必須です。
おすすめのフットスイッチは以下の記事で紹介しています。
テープ起こしはつらい仕事
在宅ワークとしては比較的割がいいテープ起こしですが、次の理由から思った以上につらい仕事だと感じました。
- 音質が悪い・発語が聞きとりずらい案件がある
- 大勢で話されると誰が話しているか分からない
- なじみのない内容だと苦痛
このような案件は分単価が高いのですが、それ以上に疲れるので、高い案件が来るとちょっと警戒してしまいます。
①音質が悪い・発語が聞きとりずらい案件がある
音声の中には声が遠かったり、周りの雑音が入っていたりして聞き取りづらいものがあります。
話者の方言がきつかったり、激しく怒っていて何を言っているか分からないこともありました。
②大勢で話されると誰が話しているか分からない
大勢が出席している会議だと、誰が発言しているのか全く分からないことがあります。
中には10人以上話者がいるものも。
事前に話者の情報を教えてもらえることもありますが、そういった親切な案件はごく一部で、ひどいときは合計何人いるのかも分かりません。
③なじみのない内容だと苦痛
案件は会社によって各ライターに振り分けられるので、こちらから選ぶことはできません。
なじみのない地方の風習についての講演会や、専門的な職種の会議だと、知らない単語だらけで非常に時間がかかります。
まとめ テープ起こしのメリット・デメリット
- 納期さえ守れば好きな時間に仕事ができる
- 語彙力や、知らなかった事柄に対する知識が身に付く
- 時給換算すると、在宅ワークにしては割がいい
- 人とのコミュニケーションがほとんど発生しない
- 想像するよりずっときつい仕事
- 音声を聞く仕事なので、静かな環境が必須
- 案件数に限りがあり、収入が一定以上に増えない
これらのメリット・デメリットから、テープ起こしが向いているのは次のような人です。
- 普段から新聞や本をよく読んでいて、語彙力に自信のある人
- 家にいる時間が長い人
- 黙々と作業するのが苦痛でない人
音声を聞く仕事なので、赤ちゃんがいる家庭では難しいかもしれません。
また、想像以上に労力を使う仕事なので、フルタイムで働いている方の副業としてもおすすめできません。
興味のある方は、まずトライアルを受けてみるか、通信講座を受講してみてはいかがでしょうか?
テープ起こしの仕事って、そのうちAIに奪われたりしないの?
このような疑問を持つ方もいると思いますが、私は当分テープ起こしがAIに取って代わられることはないと考えています。
詳しくは以下の記事もご覧ください。
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